「また聞き返ししてしまった……」難聴者のつらい悩み

皆さん!こんにちは!
難聴者として悩みの種である聞き返しはもちろん筆者も悩んでいるsuiminn04です!
今回の記事は難聴者の悩みである「聞き返し」についての悩みや対処法をまとめていきたいと思います!
筆者の周りにいる難聴者たちの話を聞いたところやはり「聞き返し」に関する悩みが多く聞きます。
今回の記事の内容は……
・聞き返しの原因で人間関係が悪くなってしまう……
・会話も楽しめない……
・周りに相談できる難聴者がいない……
- 聞き返しの原因で人間関係が悪くなってしまう……
- 会話も楽しめない……
- 周りに相談できる難聴者がいない…
Yahoo!知恵袋やGoogle検索などでも見かけるリアルな悩みをもとに、実際に役立つアイデアをまとめています。
読み終わる頃には、「聞き返すのは悪いことじゃない」と少しでも気持ちが軽くなるよう、心を込めて書きました。
また、意見や他の解決方法がありましたら下のコメント欄の方に書いていただけると嬉しいです!
それでは早速行きましょう!
Let’s Go!
この記事を読み終わるのに5分かかります。
なぜ聞き返すことが怖いのか?

難聴のある人にとって、「聞き返し」は日常の中で避けられないものです。
もちろん、筆者自身も何度も経験していますし、同じように悩んでいる方は多いはずです。
では、なぜ「聞き返す」ことがこんなにも怖く、つらく感じてしまうのでしょうか?
筆者なりに、その理由を整理してみました。
- 1・2回ぐらいは聞き返すが、それ以上になると相手の顔が嫌な顔をする
- 自分のせいで相手を困らせてしまったと感じて自己嫌悪になる
- 何度も聞き返すことで会話がスムーズに続かなくなり、気まずい空気になる
- その経験が人との会話そのものに不安を感じるようになる
そういった出来事で毎回繰り返していくうちに話の輪に入りにくくなり、人と話すこと自体が怖くなってしまうのではないかと思います。
当然、友達と話すことだけでなく外出先の途中で店員さんや通すがり人に何か尋ねる前には、うまく聞き取れるか不安になってしまいがちかと思います。
たとえ親しい友人であっても聞き返すことに気を使ってしまい、「大丈夫だよ」と言ってくれても、どこか申し訳ない気持ちが残ってしまいます。
この苦しい思いをしたことで会話をするのに自信がなくなり、孤独感を感じてしまうのが多く経験したことは少なくないでしょう。
聞き返しが起きる原因とは……?

聞き返しが何度も続くと、自分が悪いように感じてしまったり、相手との距離が縮まらなかったり、つらい思いをしますよね。
では、そもそも「聞き返し」はどうして起こるのでしょうか?
筆者自身の経験や周囲の難聴者の声をもとに、主な原因を3つにまとめてみました。
- 話す環境が騒音であること
- 相手の話が聞き取りにくい(ボソボソしている口調など)
- 体調や集中力の問題
上記のリストはあくまで個人的に考えた事なので不快な思いをするかもしれませんが、これは筆者が現実に起きて感じた事なのでご参考として捉えていただけたらと思います。
では、リストの一つ一つ解説していきたいと思います。
話す環境が騒音であること
難聴者としては誰かと話す時に一番考えるべきなのが「環境」でしょう。
例えば……
- 交通量の多い道路沿い
- 混雑している居酒屋やカフェ
- 授業で複数グループが話し合っている教室内
- 大型イベントの会場や展示会など
筆者も「耳に全神経を集中させて」話を聞こうとしても、まったく内容が入ってこないということが何度もあります。
もちろん、相手の口を自分の耳元で話してくれれば何とかなるかもしれませんが全ての場面で簡単にいかないと思います。
よくある勘違いとして、聴者からこう言われることがあります:
「騒がしい場所では、私たちも聞き取りにくいよ~」
たしかにそうかもしれません。
しかし、筆者のような両側性感音性難聴の場合、その「聞き取りにくさ」のレベルが根本的に違います。
- 筆者は補聴器を左耳のみに装着(右耳は補聴器の効果なし)
- 両耳で音を拾えないため、音の方向・バランスが感知しにくい
- 無意識の「音の聞き分け」や「調整」ができない
つまり、どれだけ集中しても「聞く」こと自体が大きな負担になるのです。
お医者さんからは「寝るときは必ず補聴器外すように。耳を休ませてあげないとダメです」と言われるほど思った以上に負担かかっているほどです。
大学で聞いた話ですが「カクテルパーティー効果」という言葉聞いたことありますか?
カクテルパーティー効果とはカクテルパーティーのような騒音の中で、自分の興味のある話題や自分の名前を自然と耳に入ってくるという心理学者のコリン・チェリーによって提唱されています。
初めて聞いた筆者はそりゃ聞き取るのに無理だろうなと思ったのですが、実際は意外にも聞き取れているんですよね……。
でも、それは断片的に聞き取れるだけであって話全体的に把握できるかと言われてもそうでもないです。
やはりちゃんと話を聞いて盛り上がるのに聞く情報が多いほうが正確に把握しやすいんです。
その点に関しては得意不得意な場合あるかと思います。
(もちろん、筆者ができても個人差があると思います。)
相手の声が聞き取りにくい
ちょっと失礼に聞こえるかもしれませんが、人の声には「聞きやすさ」に違いがあります。
たとえば…
- 声がボソボソしている
- 声が小さい
- 高い声と低い声
- 早口・独特なイントネーション・方言
性別による声の高さの違いだけでなく、話し方の癖や滑舌、話すスピードなどによって、難しさが変わってきます。
環境の影響だけでなく、話し相手によって聞き取りにくいという悩みは解決するのに難しいです。
体調や集中力の問題も…
筆者が経験したことでこれも聞き返しの原因ではないかと思う点ですが、話を聞くというのは難聴者として相当集中力が必要で長時間話をしたらさすがに情報を取るのに疲れてしまいます。
大学時代や専門学生時代に授業を受けて気づきました。
90分間ずっと先生の話を聞くのは疲れる!
興味のない授業はあんまり聞いていませんでしたが、興味のある授業を聞いていくと60分過ぎたあたりに疲れてきて集中力がかけてきていることがありました。
大学時代ではノートテイカーやパソコンテイカーがあったから、神経を研ぎ澄ますエネルギーの配分はできましたが、専門学生の時は情報保障が全くない状態で受けてきたので苦労しました。
- ノートテイカー
講師の話をノートに情報を書き留めてくれる人。
情報保障を受ける人の一人に対してテイカーが一~二人が必要。
- パソコンテイカー
講師の話をPCに文字起こししてくれる人。
情報保障を受ける人の一人に対してテイカーが二人が必要。
聞き返しをしてしまったことで人間関係の影響

そういった様々な原因を理解したうえで、聞き返しをしてしまったことでどのような影響を起きてしまうか?
- 聞き返しを繰り返すと相手表情が嫌な顔に出てしまう
- 話の輪に入れなくなる
- 聞く側も「気を遣いすぎて疲れる」
影響してしまう出来事が意外にも多いですね。
一つ一つ説明していきたいと思います。
聞き返しを繰り返すと相手の表情が嫌な顔に出てしまう
自分がわざと聞き返していないのに相手が同じことを言わないといけないという負担をかけてしまうことで、相手が嫌な気持ちになるし最悪の場合諦めてしまうこともあります。
話し相手のの立場から見ると同じことを繰り返すと嫌な気持ちになるのは当然の反応かと思います。
ですが、難聴者としてはわざと聞き返ししたわけでもないし、正確に情報を把握したいという一心で聞こうとしてもどうしても聞き取れないことはあります。
相手がネガティブな雰囲気を出されてしまうと、筆者としても申し訳ない気持ちになるし話したくないなと思ってしまいます。
一回や二回だけでなく、毎回同じような状況を繰り返すとさすがに聞き返ししづらくなってしまいます。
話の輪に入れなくなる
筆者の経験では、何回か聞き返ししてしまったことで話が盛り上がっているところで変な雰囲気になってしまうという気まずい状況にあうことは何度かあります。
特にグループディスカッションは発狂しそうです。
聞く側も疲れてしまう
聞き取りの原因の中の一つの体調と集中に関係しています。
日常の中では、様々な状況の中でいろんな人と話しています。
その中で話してくる人によっては聞き取りやすくストレスなく楽しめたり聞き取れなくて相手が諦められて申し訳ない気持ちでいっぱいで自責によるイラついてたりすることは何回も起きます。
自分のせいで仕事の失敗など起きると自分が悪いことは納得できますが、聞き取りに関しては失敗と言っても全神経注いでも聞き取れなかったら、それはそれで納得できずに気持ちがもやもやしてしまいます。
それでも会話がしたい!聞き返しへの3つの対処法

ここまで影響について解説しましたが、この中に一つでも「分かる!自分も経験ある!」と思っている方いましたでしょうか?
次に聞き返しの対処法についてはネットや難聴者としてよく言われる事をあげます。
以下のリスト通りです。
- 静かな場所を選ぶ or 事前に相談する
- 聞き取りやすい配慮をするようにお願いする。
- ジェスチャーやメモも使う
静かな場所を選ぶ or 事前に相談する
筆者は友人と飲み会に行くときや大人数で授業を受ける前に静かなお店に予約するようにお願いしたり、事前に担当者に配慮または通訳者を連れてきてもいいか相談をしたりしています。
そうすることで自分から事前に行動することによってトラブルを起きずに済みますし、自分も相手もスムーズに話を進めることができます。
聞き取りやすい配慮をするようにお願いする。
相手が自分が難聴だと初めて知った時に「あ、大きな声でゆっくりはなさないとだめかな」と思う人が大抵いると思います。
ですが、難聴といっても全員同じ聞こえ方とは限らず人によっては逆効果の場合があります。
筆者の場合も大きな声でゆっくり話されると逆に話の内容が分からなくなります。
筆者はいつも「いつも通りのテンポでいつも通りの声量で話しても大丈夫です」と伝えています。
ジェスチャーやメモも使う
状況によっては、メモやジェスチャーを使えば何とか情報を把握することができる場合があります。
例えばあまり大きな声で出せない状況でメモで筆談したり、身振りなどをしてもらったりしてもらうことで何となく状況が分かるかなと思います。
ただし、それをやってくれるかは相手次第ですのであまり期待できません。
筆者suiminn04が実際に試して効果があったこと

よく聞く3つ対処法を紹介しました。
この3つの対処法は基本的な知識で、ここからは筆者が考えた対処方法を紹介しようと思います。
基本的な知識をやりつつ、筆者なりに自分としてよりストレス感じずに済むか試行錯誤しながら考えた結果です。
- 要約スキルを身に着ける
- 「聞き取れないこともある」と自分を責めない心構え
- 「ごめん、もう一度だけお願いしていい?」など優しく言う
要約スキルを身につける
先ほどお話を聞くというのは難聴者として相当なエネルギーが必要だと話しましたが、長時間聞くのが苦手な筆者は常に意識していることは「話の要約を相手に確認すること」です。
相手が「何を言いたいのか」「どのキーワードを主張しているのか」をできる限り自分で把握し、話の内容が分かったら次の話を進んめても問題ないし、自信がない時は必ず相手に話の内容の確認をしています。
少人数での会話だったら何とか行けますが、講演会などの大人数での長時間聞き取りは非常に難しいので大体聞いて何となく「こうゆう話だな」と把握できてればよし。
できなかったら、近くの人に確認する形にしています。
「ごめん、もう一度だけお願いしていい?」など優しく言う
筆者の経験上では、聞き返す時の反応によって相手に不快を感じてしまう言葉というのがあります。
例えば「えっ?」や「えっ!」、「はい?」など少し発音が大きめだったり、相手にイライラさせるような言い方だと相手にとっては不快に感じて教えてくれません。
では、どういった言い方がいいかと言うか。
一回謝罪をしてから頼むか、「ん?」など相手に対してワンクッション言葉など活用すれば相手がちゃんと「あ、聞き取れなかったな」と理解してくれるので、聞き返す時の言い方を気を付けています。
この考え方では片耳なんちょーの方があったお話で参考にしようとしています(笑)
【片耳なんちょー】なんちょー系メンズに朗報です。難聴ならではの、モテ仕草紹介するよ。(キクチの周りの女子は共感してくれました)
— キクチ|書籍『20代、親を看取る。』 (@kkc_ayn) January 31, 2018
そして逆に、なんちょー系レディならではのモテ仕草、どうか教えて。#片耳難聴あるある pic.twitter.com/OguvYSuLRe
「聞き取れないこともある」と自分を責めない心構え
最後の対処法は「自分を責めないこと」が大切です。
自分の障がいというのは自分の力ではどうしようもないのです。
だからたまに聞き取れないこともあるという割り切ることが大切です。
意外にも気持ちが楽になれるかと思います。
聞き返しは恥じゃない。関係は「工夫」で築ける

以上で、聞き返しの対処法を紹介しました。
紹介する中でいくつか実行している人はいるはずかと思います。
ですが、筆者もまだこの対処方法が「正解」だと思っていません……。
今読んでいる読者であるあなたと同じ状況、筆者も身の回りに同じ難聴者と話し、解決策を見つけていません。
もし、この記事を読んでいる読者さんは「この方法はどうだろうか?」「この方法はあまりよくなかった」など意見がございましたら、ぜひともコメント欄に記入していただけたら幸いです。
もちろん、同じ解決策をやった!などの共感もコメントいただけると他の読者の皆様との交流することができるかと思いますので、ぜひとも積極的にコメントに記入してください。
また、現在筆者は仮想空間で聴覚障がい者と交流をしています。
VR上で手話をする「VR手話」でコミュニケーションをとっています。
皆さん初めまして!
— VRC手話ポータル こねくと (@jsl_portal) January 21, 2025
「VRC手話ポータル こねくと」は
手話学習者とVRChatの手話イベントやコミュニティをつなぐポータルです!
イベントの発信や手話情報の収集をサポートする活動を行なっていきます!
Discord、X、VRCグループにて発信しますので、ぜひご参加ください!
リンクはプロフに! pic.twitter.com/2XMce1OUHS
ご興味がありましたら、ぜひVRの世界に足を踏み入れてみませんか?
もちろん、VR機器持たなくてもPCやスマホだけでVRの世界に入ることができます。
ご興味がありましたら筆者に問い合わせても大丈夫です。
聴覚障がい者界隈にご案内します。
今日はここまでにしたいと思います!
それでは!よいVRライフを!